幼児の両耳分離聴検査にみられる右耳優位性:右耳優位性と言語能力との関係ならびに右耳優位性の発達的変化
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概要
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本研究の目的は2つある。第1の目的は, 両耳分離聴検査において認められる右耳優位性が, 幼児の言語能力とどのように関係しているかについて検討することである。右利きの幼児に言語性の両耳分離聴検査を行うとともに, ITPA言語学習能力診断検査の中から5つの下位検査を選び実施した。重回帰分析の結果, 年少児 (平均年齢3歳11か月) においてのみ, 右耳優位性の強さと「ことばの表現」検査との間に正の関連が見出された。この正の関連は,「ことばの表現」検査の成績がよい幼児の場合, 言語機能の左半球への側性化が強いことを示唆している。また, 年少児において, 右耳優位性の強さと「文の構成」検査との問に負の関連が認められた。この負の関連は, 自動的な水準における言語能力を測定している「文の構成」検査の成績がよい幼児の場合, 言語機能の左半球への側性化が弱く, 言語機能に右半球が関与していることを示唆している。本研究の第2の目的として, 両耳分離聴検査において認められる右耳優位性の程度に発達的な変化がみられるか否かについても検討した。しかし, 右耳優位性の強さが幼児期を通して発達的に変化するという結果は認められなかった。
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The Japanese Association of Educational Psychology | 論文
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