津波被害を受けた農地の塩害対策と地盤環境に関する考察
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概要
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2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は,東北地方から関東にかけて甚大な被害をもたらした.沿岸付近では防波堤や防潮堤だけでなく,橋梁や堤防など多くの土木構造物が破壊した.また,震源域に近い東北地方の太平洋岸に来襲した高い津波により,内陸部においても浸水被害が生じた. 本文では,震災被害により生じた地盤環境問題として,津波による農地の塩害を取り上げる.津波の被害を受けた農地を少しでも改善するために,塩害に強い植物を栽培する取組みが行われている。これだけでは,農地の十分な除塩効果が期待できないため,好塩菌を含んだ堆肥を農地に散布する活動を行った。好塩菌堆肥の効果を確認するために,人工塩害土と農地の土壌に対する室内試験を行った結果,時間の経過とともに電気伝導率は徐々に低下していることが示された。一般的な除塩対策として,潅水による塩分の洗い流しが有効とされている。しかしながら,環境負荷低減の観点では,微生物による地盤環境改善効果が期待される。
- 日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」の論文
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」 | 論文
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