ロスビー波の砕波と飽和理論による大気大循環の乱流エネルギースペクトル:E=mc2 乱流スペクトルの検証
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大気大循環の長周期変動の多くは順圧的な構造を持つ。これは大気の傾圧不安定擾乱が基本場の傾圧性を解消する際に、擾乱のエネルギーを傾圧成分から順圧成分に変換することによる。順圧成分に溜まったエネルギーは2次元流体力学の束縛の中で総観規模からラインズスケールに逆カスケードを生じ、準停滞性プラネタリー波の振幅が臨界値を越えて増幅する。傾圧不安定のプロセスにおいて、総観規模の傾圧成分からエネルギーを供給されて増幅する順圧ロスビー波は、順圧渦位の南北勾配が逆転する振幅に達すると砕波する。この砕波条件からロスビー波の飽和スペクトルを導くと、波のエネルギーEはロスビー波の位相速度cの2乗に比例することが示された。その比例定数は単位面積あたりの大気の質量mとなり、E=mc2の飽和スペクトルが導かれる。これは観測と一致する。本研究では、傾圧大気のエネルギースペクトルは波数の-3乗則に従う一方で、順圧成分のエネルギースペクトルは、ロスビー波の飽和理論に従い、波数の-4乗則に従うことをデータ解析により確認した。
- 日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」の論文
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」 | 論文
- Study on Numerical Simulation for Vibro-Acoustic Response of Spacecraft
- 人工関節用セラミックスの摩擦摩耗挙動に対する材料組合せ・潤滑剤・表面膜の影響
- 擬似圧縮性DESによる風車後流の3次元数値解析と後流モデル化に関する研究
- ハイブリッド吊床版道路橋の耐風性能
- 一般断面を有する多重連結型開水路網に生じるダム崩壊問題に対する双対格子に基づいた有限体積モデル