難病患者に対する入院施設確保事業の現状と問題点:福岡県重症神経難病ネットワークの取り組みより
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概要
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福岡県は,1998年に重症神経難病患者の療養環境を改善するために,福岡県重症神経難病ネットワークを設立した。ネットワークのコーディネーターは登録患者のために空床を確保するという事業を行っている。本稿では,このネットワークが開始されてから,最初の10ヶ月間の活動結果を検討する。入転院紹介の55%は,協力病院から受け入れ拒否にあっている。協力病院のうち60%はネットワークの活動に協力的ではない。療養相談のほとんどは,ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者のために行われていることがわかった。ネットワークの活動を広げていっても,やはり重症神経難病患者の長期療養のためにベッドを確保することは困難である。中心となって活動しているコーディネーターの役割や権限をより明確にすること,病院にとっての経済的なインセンティブを分析することなどが,ネットワークの活動を改善し,次の政策形成のために必要である。
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The Health Care Science Institute | 論文
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