再開発地区の記録を残す方法の提案:―PI地名辞典を用いた試み―
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概要
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本報告は、空間が変化する中で、「ここに・ここで何があったのか」を記録し、保存、提供するための方法について、再開発地区における資料収集を通じて考察する。空間の過去を残す上での様ざまな課題を踏まえ、現実的制約の中で保存し得ないもの、保存の過程で排除、無視されるものを、少しでも多く、確実に残し伝える一つの方法として、以下にその手順を示す。1.対象とする空間で"何が行われたか""どのような感情を持っているか"など、生活、業務の様相を示す資料を収集する。2.対象とする空間の物理的環境を示す資料を収集する。3.1・2の資料を一体的に保存し、空間を軸とした検索手段を提供する。まず、アーカイブズの手法に基づいて整理し、EAD形式で目録をとる。つづいて、資料から、PI仕様に準じた地名辞典を作成し、資料目録の地名典拠として機能させることにより、"ここ"に関する情報を、多様・多量の資料から集積することができる。また、一つの資料からでは、"どこ"かわからなかった地名も、地名辞典を介して、他の資料とリンクされることにより、その位置や概要が把握できる、といった"地名そのものを保存する"役割も果たす。目録と地名辞典とのいずれも国際的な相互交換が可能なデータ形式をとっており、本事例にとどまらない応用が可能である。
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