硫黄安定同位体比による沖縄本島における湧水中の硫酸イオン濃度上昇の要因解析
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概要
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1970年代から断続的に実施されてきた沖縄本島湧水のイオン濃度測定をまとめたところ、南部において、硝酸態窒素と硫酸イオン濃度に1980年代から上昇傾向があることが明らかになった。硫酸イオンも硝酸と同じく化学肥料や家庭排水を主要な起源としていると予測される。しかし、各地点の硝酸と硫酸イオン濃度上昇の割合は異なっており、汚染源、または地下水の生成・消滅過程を伴う水質形成プロセスがそれぞれの湧水で異なることを示唆している。このような地下水の汚染源と水質形成プロセスを化学的に解明することは,今後の対策を進める上でも重要である。硫酸イオンに含まれる安定同位体比は、その起源と生成・消失過程によって特徴的な値を示すことから、汚染源の判別および水質形成プロセスの解明に有用である。そこで、本研究では、沖縄本島における硫酸イオン濃度上昇の要因を明らかにすることを目的として、湧水中の硫酸イオンの硫黄安定同位体比を測定した。
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