有機化合物組成および炭素・窒素安定同位体比から見た当幌湿原の形成史の解析
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概要
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沿岸域に存在する湿原の形成過程は、海面の上昇や地形の変化と関わることから、完新世の環境変動を読み解く上で注目されている。本研究では北海道の道東に位置する当幌湿原の泥炭試料を用いて、有機化合物組成と炭素・窒素安定同位体比から、湿原形成の経緯を明らかにすることを目的とした。その結果、最も深い泥炭層を持つ場所(St. 4)は約6000年前の縄文海退期に形成されたことがわかった。一方、泥炭層が浅い場所(St 1およびSt. 2)は、約4000年前から3000年前にかけて、TOC、高等植物由来であるリグニンフェノールおよび長鎖脂肪酸の増加がみられ、また炭素安定同位体比が-27‰と高等植物由来の炭素同位体比を示した。このことから、St. 1およびSt.2は、約4000年前から3000年前の間に湿原化したことがわかった。
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