南太平洋における浮遊性有孔虫の遺伝的多様性
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概要
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古海洋環境の重要な指標の一つである浮遊性有孔虫は非常に高い遺伝的多様性を示し,遺伝的に異なる集団が種内に複数存在することが明らかにされつつある.しかし,南太平洋における遺伝的多様性についてはこれまでにほとんど研究されていなかった.そこで,みらいMR08-06航海にてプランクトンネットおよび表層海水濾過にて浮遊性有孔虫<I>Globigerina bulloides</I>を採取し, SSU rDNAの塩基配列を決定し遺伝型の判別を行った.その結果,南太平洋外洋域からはIIa, チリ沿岸域からはIIa, IIdの2種類の遺伝型を確認した.これらの北東太平洋で報告されている遺伝型と共通しており,東太平洋と遺伝的な交流があることが示唆される.また,緯度方向で生息する遺伝型が変化していることから海洋環境の違いが遺伝集団の分布に影響していると考えられる.
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