太陽系初期物質中のタングステン同位体不均質
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では、鉄隕石及びコンドライト中のタングステン同位体分析を行った。長い宇宙線照射年代を持つ鉄隕石中のタングステン同位体組成は、アエンデCAIsの初生タングステン同位体組成と比較して有意に低い値を示した。これは、鉄隕石中のタングステン同位体組成が銀河宇宙線誘起中性子に起因する元素合成反応により変動したとこれまで考えられてきた(Kleine et al., 2005; Schersten et al., 2006; markowski et al., 2006)。しかしながら、他の同位体に関して有意な変動が検出されないため、<SUP>182</SUP>W/<SUP>183</SUP>W比の変動を銀河宇宙線誘起中性子の元素合成反応だけで説明するのは難しい。さらに、アエンデ隕石中の<SUP>184</SUP>W/<SUP>183</SUP>W比は他の隕石と比較して有意に変動しており、これはアエンデ隕石中のタングステン同位体が鉄隕石の原料物質の同位体比と異なる可能性を示唆している。
- 日本地球化学会の論文
日本地球化学会 | 論文
- 「エアロゾルの地球化学」によせて
- 海洋大気エアロゾルの挙動と組成変動に関する地球化学的研究
- 2001年春季におけるアジア大陸から西部北太平洋への地殻起源元素及び人為起源元素の大気輸送
- 西部北太平洋における炭素質エアロソルの濃度レベルと発生源
- 北部北太平洋における海霧の化学組成と粒径分布