水を含む小惑星の加熱脱水過程の解明:始原隕石の観察と再現実験
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概要
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近年の始原隕石と小惑星の反射スペクトルの研究により、水を含む小惑星、主にC型小惑星の多くは、加熱脱水していることが明らかになった。これらの小惑星は、水質変成を受けた後、ある時期に加熱脱水を受けたと考えられている。しかし、その加熱脱水過程は解明されていない。そこで本研究では、そのような小惑星からきたとされる始原隕石B-7904とY-86789、加熱を受けていないCMコンドライト隕石のMurchisonを用いて、観察と加熱脱水の再現実験を行い、水を含む小惑星の加熱脱水過程の解明を目指した。〈BR〉実験は高真空で金属鉄を酸素分圧のバッファーとし、600度と900度で各々1時間と96時間の加熱を行った。分析はB-7904とY-86789、Murchison、加熱実験で得た4つの生成物について、偏光顕微鏡、電子顕微鏡、放射光X線回折、顕微ラマン分光を用い観察と分析を行った。その結果、加熱を受けた始原隕石は900℃で加熱したMurchisonに、鉱物組み合わせと量比、炭素質物質の特徴などが類似していることが判った。
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