228Ra/226Ra比の季節変動からみた日本海沿岸海水循環
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概要
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日本海沿岸域においては,豊富な漁場を多くかかえている一方で,原子力発電所事故やタンカー座礁事故など人為的な汚染物質の流入の懸念に加え,最近ではエチゼンクラゲの被害など,新たな問題にも直面している。これら汚染事故などに対処するにおいて,沿岸域の海水循環に関する情報は不可欠である。海水に溶存する放射性物質の226Ra (半減期;1600年)と228Ra(5.75 年)は海水循環のトレーサーとして今まで利用させてきた。しかし,海水中のRa同位体元素は非常に微量であるため,測定するためには~100 Lの海水試料が必要であった。当施設では,低バックグラウンドγ線測定法および化学処理法の確立により,少量(20リットル)の海水試料での228Ra,226Ra濃度の精密測定を可能とした。この手法の適用により,サンプリングが容易になったことから,従来よりも時間的・空間的に高分解能な228Ra/226Ra比の解析が可能になった。
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