北太平洋亜寒帯域における生物起源粒子フラックスの長期変動
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概要
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北太平洋亜寒帯域での過去15年間のセジメントトラップ実験による生物起源粒子フラックスは長期変動を示した。1月から6月の1年の前半に、オパールフラックスは6から47mg/m2/yrの減少、有機炭素フラックスは1から9mg/m2/yrの減少傾向を示し、近年の温暖化による北太平洋の植物プランクトン生産減少を支持するものであった。さらに、オパールフラックス/炭酸カルシウムフラックス比も0.2から0.6/yrの減少傾向を示し、他海域のこれまでの報告と比較して、もっとも大きな値となった。これらの結果は、北太平洋の植物プランクトン生産減少とともに、プランクトンの種組成が大きなサイズのケイ藻から小さなサイズの円石藻にシフトしつつあることを示す証拠であり、今後、大気からの二酸化炭素吸収効率が減少することを示唆するものである。
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