陸域縞状炭酸塩堆積物から年縞をよむ
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概要
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鍾乳石やトゥファのような年単位の縞状構造を持つ陸域炭酸塩堆積物は、地球規模、あるいは局地的な過去の環境情報の変遷を保存するよい記録媒体となる。環境情報の抽出のためには試料の絶対年代の決定が必須である。顕微分光法による試料の測定の結果、秋吉台と平尾台の石筍には紫外線を照射することによりそれぞれ26.4 μm、23.8 μmの蛍光バンドを持つことがわかった。トゥファにはそれぞれ0.5 mm、0.1から2 mmの幅で存在した。これらの石筍、トゥファの主な蛍光源はフルボ酸である。蛍光バンドは生物活動の季節変化がフルボ酸の濃度変化として現れるため年縞に相当すると考えられる。平尾台のトゥファを用いて行った137Csのガンマ線測定結果は、2つの137Csのピークの存在を示唆した。炭酸塩堆積物の年縞の計数結果からは、ピークは1945年付近および1950後半から60年代に相当することがわかった。
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