北太平洋におけるネオジム同位体比の三次元的分布
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概要
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ネオジム同位体比は海洋における物質循環や海流の流れを考える上で大変有用なトレーサーである。我々は、北太平洋におけるネオジム同位体比の三次元的分布を明らかにし、陸域からのネオジムの供給のメカニズムに関して考察を行った。その結果、表面海水に関しては大気ではなくむしろ海流によってネオジムが水平方向に供給、運搬されていることが分かった。また、日本近隣の黒潮域の測点において100から200mの深さに極めて低いネオジム同位体比を示す水塊があることを見いだした。これは大陸域から供給されたネオジムの影響と考えられるが、ハワイの近隣の測点においても同様の特徴が認められた。従って、その深さにおける大陸域からのネオジムの供給は北太平洋の中央部まで及んでいる可能性がある。
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日本地球化学会 | 論文
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