VMAP観測における無人海洋大気観測艇による日本周辺海域の大気成分測定
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概要
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エアロソルの地球環境への影響は、温室効果ガス等の評価と比較して、不確定要素が非常に多いが、太陽光の散乱による地球の冷却化などの影響を及ぼし、その挙動は地球気候変動に重要な役目をしていると考えられている。よって、大気中エアロソルの挙動を定量的に評価することが必要である。<BR>本研究では、戦略的基礎研究の一環として、大気中エアロソルが海洋上に及ぼす影響を解明するため、自動航走と定点維持可能な無人海洋大気観測艇「かんちゃん」を開発した。本観測艇は、無人で海洋大気と海水の自動観測が可能である世界初の観測艇である。<BR>2001年5月から2003年6月の間、計11回の観測航海を行った。特に2001年度の観測においては、三宅島噴煙の影響を受け、清浄海洋大気と明らかに異なるSO<SUB>2</SUB>やNH<SUB>3</SUB>の高濃度ピークを検出した。このことから、三宅島噴煙等によるSO<SUB>2</SUB>が海洋エアロソルの変質に大きな影響を与えていることが示唆された。
- 日本地球化学会の論文
日本地球化学会 | 論文
- 「エアロゾルの地球化学」によせて
- 海洋大気エアロゾルの挙動と組成変動に関する地球化学的研究
- 2001年春季におけるアジア大陸から西部北太平洋への地殻起源元素及び人為起源元素の大気輸送
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