重症アトピー性皮膚炎に肋骨肋軟骨移行部膿瘍を合併した1例
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概要
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アトピー性皮膚炎 (Atopic dermatitis 以下AD) は, そう痒を伴う湿疹を主病変とした慢性炎症性皮膚疾患である. AD患者の皮膚では黄色ブドウ球菌を高率に保菌していることが知られ, 黄色ブドウ球菌菌血症を引き起こすリスクも高いと考えられている1). 症例は重度のADにて加療中の20代男性, 左胸背部痛, 発熱を主訴に当院を受診した. 当初熱源は不明であったが, 血液培養から黄色ブドウ球菌を検出し, 画像検査で左肋骨肋軟骨移行部に膿瘍形成を認めた. ADは日常的に遭遇するありふれた疾患であり, プライマリ・ケア医がADを基礎疾患として有する患者を診療する機会も少なくない. AD患者の発熱を診る際には, 菌血症の存在も念頭に置きながら早期に診断し適切な治療にあたることが重要である.
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