キーボーディング訓練はコンピュータ副作用の低減に有効か:文章理解テストを用いた検証
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概要
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コンピュータ非熟達者がコンピュータを使う際に生じる思考力の一時的低下をコンピュータ副作用と定義し、それより容易に検出し,副作用の度合いを数値化するためにはどうしたらよいのかを検証した。不慣れなキーボーディングにより注意容量が多く割かれるのであれば,同時に文章を理解し内容を記憶するような深い処理を行うことが困難であろうと推測し,コンピュータを用いた文章入力をさせた後に,その文章に対する問題を解かせた.その結果,キーボーディング非熟達者と熟達者との間には正答率に差があり,非熟達者の正答率は熟達者のそれを大きく下回った.また,文章を打つ早さと正答数に強い相関がみられ,キーボーディングの熟達度に応じて正答数が上がることが示された.非熟達者にキーボーディング練習を2ヶ月行わせて再度同じテストを行ったところ、テストの成績が向上した.これらのことから,コンピュータ副作用は,一定期間キーボーディングの練習を行うことによってある程度低減されることが示された.
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日本認知心理学会 | 論文
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