知覚支援装置付きコルセットの効果について
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概要
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【はじめに】第40回日本理学療法学術大会において、我々は臨床で簡便に使用可能で、動作分析や評価の精度を向上させること。また、患者自身の能動的な活動を通じて、自己の姿勢や身体の動きと環境との関係に対する気づきを得てより多様性をもった活動が遂行できるようにすることを目的として、知覚支援装置付きコルセット(以下、PSC)を開発し報告した。そこで今回は、臨床での使用場面における効果の検討として、慢性期の片麻痺症例1例に対して三次元動作分析システムを用いて歩行分析を行ったので報告する。<BR>【対象および方法】対象は、研究の主旨を説明し同意を得た発症後4年を経過した脳内出血による右片麻痺を呈した50才代の女性で、屋内をT字杖での歩行が可能である。なお、通常の肉眼的な観察による歩容では、軽度の分回し歩行を認める症例である。測定方法は、60cm四方のフォースプレート2枚が埋め込まれた6mの歩行路上を自由速度にて歩行してもらい、PSC使用前後での歩行を、アニマ社製三次元動作分析システムMA-6250を用いて分析し、時間因子や距離因子について比較検討した。<BR>【結果】歩行速度は、使用前0.125m/s、使用後0.132m/sとPSC使用後での歩行速度は速くなっていた。<BR> 1歩行周期の時間・距離因子は、PSC使用前2.37sでストライド長が非麻痺側0.21m、麻痺側0.20m、PSC使用後では2.45s、ストライド長が非麻痺側0.19m、麻痺側0.23mであった。また、立脚期、遊脚期、両脚支持期の割合は、PSC使用前ではそれぞれ62.7%、37.3%、28.2%、PSC使用後では64.0%、36.1%、24.5%と両脚支持期の割合が減少していた。さらにPSC使用後では、非麻痺側の足関節レベルでの側方移動距離、大転子レベルの位置が1cm程度増加していた。<BR>【考察】今回のPSC使用前後での比較において、PSCを装着しての歩行は、分回しの程度を少なくするように指示して3分程度施行した。短時間であったが、歩行速度の上昇や両脚支持期の減少、位置情報の変化から、分回しの程度は変わらずに全体としてはスムースな歩行が行われたと推測される。<BR> 通常、歩容についての口頭指示のみでは、位置情報の変化は一定しないことを臨床上よく経験する。しかし、この症例においては、足関節や大転子レベルの位置情報の変化は1cm程度と少なかったことから、身体位置のわずかな変化をPSCに付属している基準棒を介することで、増幅された視覚情報を身体の延長として認識し、自らの活動においてフィードバックやフィードフォワードに用いて、適応させていたと思われる。<BR> 今後、さらに詳細な検討を加えたいと考えている。<BR>
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