BIODEX社製stability systemを用いたバランス評価についての試み
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概要
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【はじめに】<BR>整形外科下肢疾患での術後早期の患者においては、筋力、固有感覚、痛みなど様々な原因によりバランス能力が低下している。バランス能力の評価方法はいろいろあるが、BIODEX社製stability systemを用いた整形外科疾患での測定方法の報告は少ない。そこで、今回我々は測定方法、回数を考慮したプロトコールを作成し、健常者を用いて検討したのでここに報告する。<BR>【対象と方法】<BR>対象は研究の趣旨についての説明を受け同意を得た健常対象者計35名(男性17名、女性18名)で、平均年齢は26.5歳、平均体重は59.6Kg(男性69.2Kg、女性50.5Kg)であった。方法はBIODEX社製stability system BDX-STのダイナミックバランステストを用い、開眼(open:O)および閉眼(close:C)にて3段階の難易度(以下難易度が低い順にO8、O7、O6、C8、C7、C6)を施行した。各測定は20秒で、踵部の位置を統一した。この時、難易度順で開眼・閉眼を交互に行う方法と、開眼で連続3段階行った後同様に閉眼を行う方法の2つのプロトコールを、3日以上の間隔を空けて測定した。どちらの測定方法を先に行うかは無作為に選択した。結果の処理は各難易度の全方向安定指数(以下SI)について分散分析および相関分析を行い、有意水準は5%未満として検定した。<BR>【結果】<BR>各難易度のSIの平均はO8、O7、O6、C8、C7、C6の順に1.7、1.6、1.7、2.9、3.3、3.7であった。開眼(O8、O7、O6)の各項目間のSIでは有意差が認められなかったが、開眼(O8、O7、O6)と閉眼(C8、C7、C6)の間では有意差が認められた。また、プロトコール(連続と交互)、回数(1回目と2回目)による有意差は認められなかったが、性別間ではC8、C7、C6において有意差が見られた。男性のSIの平均はC8、C7、C6の順に3.5、4.3、4.9、女性は2.3、2.5、2.8であった。男性のほうがバランスを崩しやすい傾向が見られ、外部に接触することも多かった。さらに各難易度のSIと体重との相関分析において、C8、C7、C6で相関を示す傾向(順にR=0.73、0.74、0.73)が見られたが、この傾向は男性(r=0.69、0.64、0.72)のほうが女性(r=0.36、0.40、0.40)よりも強く見られた。<BR>【考察】<BR>以上の結果から、閉眼による測定おいて体重の多かった男性は、バランスを崩してからの反応時間が同一であっても重さと加速度の関係から反応量は大きくなり、SIが大きかったことが推測され、体重を考慮したプロトコールの作成もしくは体重毎の基準を設定する必要があると考えられた。今後さらに年齢による影響についても検討していく必要があると思われる。<BR><BR><BR>
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