超急性期からの脳卒中リハビリテーションのアウトカムに関わる要因について
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概要
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今回,我々は杏林大学医学部付属病院脳卒中センターに入院した1128名中,超急性期(発症より3日以内)から1週間以上リハビテーションを行い,転帰先(自宅退院または転院)が明確であった脳卒中患者479名(男性282名,女性197名)を対象とした.本研究の目的は,目的変数を転帰先,説明変数を年齢,性別,入院期間,退院時FIM(各項目)としてデータマイニングの手法を用いて,転帰先(自宅:162名,転院:317名)を決定するような要因を明らかにすることである.解析には,SAS institute Japan社JMP8.0jのパーティションを用いた.また,枝分かれの最終分岐はR2の変化率が小さく,臨床的説明がつかない点をもって終了とした.その結果,5つの組み合わせが抽出された.第1グループは,FIMのトイレ動作が6以下かつFIM歩行3以下かつ年齢が88歳未満である場合(度数:156名,自宅0%,転院100%).第2グループは,FIMのトイレ動作が6以下かつFIM歩行3以下かつ年齢が88歳以上である場合(度数:27名,自宅15%,転院85%).第3グループは,FIMのトイレ動作が6以下かつFIM歩行4以上である場合(度数:125名,自宅20%,転院80%).第4グループは,FIMのトイレ動作が7かつ入院日数が24日以上である場合(度数:61名,自宅49%,転院51%).第5グループは,FIMのトイレ動作が7かつ入院日数が24日未満である場合(度数:110名,自宅94%,転院6%).R2は,0.54であった.以上の結果より,転院か自宅退院かは,トイレ動作の自立が大きく寄与しており,トイレ動作が自立しておらず,歩行レベルが中等度介助以上であれば,100%近くが転院という転帰をたどっていることがわかった.また、トイレ動作が完全自立していても,約3週間以上の入院日数を押し上げるような,何らかの要因があれば,自宅退院の可能性は約50%に下がってしまうことが示唆された.今後,各グループの特性について検討していきたい.
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