タイラギの低酸素に伴う換水運動の変化
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概要
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タイラギを用いて,異なる水温下で,水中の酸素分圧を貝自身の酸素摂取で徐々に低下させて換水運動の変化を調べた。酸素飽和の状態では水温が高いほど,換水量と鰓に載せた小片の移動速度は大きな値を示したが,換水1回の排出水量はほぼ同じ値を示し,換水周期は小さい値を示した。低酸素下において,タイラギが換水運動を間歇型から連続型へ変化させた酸素分圧(mmHg)は,13°Cでは47.3,22°Cでは59.6,27°Cでは酸素分圧102.3と水温が高いほど高い値を示したが,鰓に載せた小片の移動速度は,間歇型から連続型の換水運動に変化させる酸素分圧よりも更に低下するまで酸素飽和の状態とほぼ同じ値を示していた。以上のことから,タイラギは,鰓の繊毛運動の活動度を変化させずに,外套膜の調節によって換水量を調節していると推測した。
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