有明海の浮泥がタイラギに及ぼす影響
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概要
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有明海で採集した浮泥を飼育海水に添加し,濁度800 NTU でタイラギ(殻長120~145 mm)を15日間無給餌飼育した。その結果,浮泥区におけるタイラギの死亡は認められず,グリコーゲン量は海水区および粘土鉱物区よりも高かった。一方,水槽に海砂を敷き,そこに潜砂したタイラギ(殻長135~150 mm)の上に層厚を変えた浮泥を堆積させた。この状態で15日間飼育した結果,層厚10 mm 以上の各区は層厚 5 mm 以下の各区と比較して生残率およびグリコーゲン量が低下した。以上,2つの試験結果から,有明海で発生する浮泥は,1)海中に懸濁した場合はタイラギに対して餌料効果を示す可能性があり,2)タイラギの生息域に大量に堆積した場合はタイラギの栄養状態を低下させ,死亡させる可能性があることを示唆した。
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