閉鎖循環式水槽におけるクルマエビの成長・消化およびビブリオ菌抑制に及ぼすプロバイオティクスの影響
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概要
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閉鎖循環式水槽においてプロバイオティクス製剤を飼育水または飼料に添加してクルマエビを飼育し,成長,消化および <I>Vibrio</I> 菌抑制に及ぼす影響を比較した。平均体重および総増重量は,プロバイオティクス処理した試験区が対照区に比較して有意に高かった。生残率は試験区が対照区に比較して高かったが,有意な差はなかった。粗タンパク質含量は試験区が対照区と比較して糞中で低かった。粗脂肪含量は試験区が対照区に比較して飼料中で高く,筋肉および糞中で低かった。粗灰分含量は試験区が対照区と比較して糞中で高かった。クルマエビ体内の <I>Vibrio</I> 菌数および飼育水中の <I>Vibrio</I> 菌数は試験区が対照区と比較して有意に少なかった。ストレス耐性試験では,高水温に対する耐性力は試験区が対照区に比較して高かった。また,オガクズ内における耐性力は試験区が対照区に比較して有意に高かった。本実験結果により,数種の <I>Bacillus</I> 菌によって構成されるプロバイオティクス製剤は,クルマエビの消化管内においてアミノ酸および脂肪酸の消化効率を改善するとともに,飼育水中および消化管内の <I>Vibrio</I> 菌の増殖を抑制しクルマエビの免疫力を向上させ,成長を促進させることが明らかになった。
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