密集市街地における空き家の実態とその「防災空間」としての活用可能性に関する研究:大阪市鶴橋地区を対象として
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概要
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密集市街地では深刻な建て詰まりの状況にあり、震災時に道路閉塞等を緩和し避難行動に寄与するオープンスペースを確保することが困難である。一方、多くの密集市街地では老朽化した建物が空き家のまま放置されている例が散見される。しかし、防災上はこれら空き家敷地は潜在的な活用可能空間とも考えられる。本研究では、ケーススタディにより空き家の実態を把握し、「防災空間」としての空き家敷地の防災性を評価することでその活用可能性を明らかにすることを目的とした。空き家を除去する「空地化」、空き家敷地を道路として整備する「道路化」、空き家敷地を活かした「道路拡幅」、空き家敷地を「一時避難所化」した整備と、さらに以上3つを併用した「複合的整備」についてシミュレーションを行いこれら整備手法の防災性を評価した。その結果、空き家は除去し空地とするだけでは「防災空間」としての効果は低いが、「道路化」、「道路拡幅」、「一時避難所化」を用いた「複合的整備」では相乗的に高い整備効果及び効率を得られた。このことから、空き家敷地の持つ「防災空間」としての活用可能性を示すことができた。
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