富栄養化の抑制を目的とした谷津干潟海底水からのリン酸除去および機能性材料の合成プロセスの提案
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概要
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本研究は千葉県に位置する谷津干潟を実験対象地区とした,富栄養化干潟におけるリン酸除去と機能性材料の合成を試みた.第一に,旋回型エアレーターを用いて谷津干潟海泥水のイオン動向を測定した.リン酸は海水pHが低い条件において底泥から海水中に放出され,一方,嫌気条件においても硝酸および亜硝酸が存在する系においては,リン酸は底泥中に取り込まれた.このことから微生物によるリン酸の放出と蓄積が示唆された.また,牡蠣殻を用いたリン酸の吸着能評価を行い,最大で溶液リン酸濃度を0.1~0.4 mg/Lまで減少させた.また,微生物を用いたリン酸の除去と機能性材料の合成を行った.proteus mirabilisを鋳型として用いた系では,初期カルシウム濃度17mmol/L,Ca/P比3.33の条件において球状粒子が得られた.klebsiella pneumoniae H12を鋳型として用いた系においては同様の結果が初期カルシウム濃度1.0×10−1mol/Lにおいて得られ,余剰のアンモニウムイオンの発生は固液界面における局所的は晶析を阻害することが示唆された.
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