微結晶の付着現象による結晶成長速度向上の検討(第2報)―結晶表面粗さおよび微結晶の発生由来が結晶成長速度に与える影響の検討―
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概要
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結晶表面に母液中の懸濁微結晶が付着する現象を利用して見かけの結晶成長速度を向上させる技術の実用化に向けて,微結晶の発生由来や付着される成長結晶の表面粗さが見かけの結晶成長速度に与える影響を検討した.温度過飽和度1~30[K],母液中の微結晶数2×104~7×105[kg-solution–1]の条件において,流動層型晶析装置内に塩化ナトリウム結晶1個を滞留させる回分晶析実験を実施した.結晶成長速度 (dl/dt)AV[m/h]は種晶の表面粗さや微結晶の発生由来によらず,過飽和度ΔC[mol/kg-H2O]および微結晶数Nfine[kg-solution–1]を用いた式 (dl/dt)AV=(1.07×10–2+2.90×10–8 Nfine)ΔCで表すことができた.高結晶成長速度4,780[μm/h]の条件で成長した結晶の割断面の観察から,成長結晶の品質は一般的な塩化ナトリウム工業結晶と同程度であると考えられた.これらの結果から,高過飽和度のもとで,微結晶数を増加させることにより見かけの結晶成長速度を向上させることができると結論づけた.
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