エタノール溶液中での様々なNaCl結晶面の原子平坦化のメカニズムおよび3つの低指数面でのナノスケール摩擦測定
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概要
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媒晶剤を加えたエタノール溶液中でのNaCl結晶低指数面の溶解に伴うファセット形成を原子間力顕微鏡で観察した.各溶液中での最安定な面を,その面の原子平坦化およびAFM原子像の観察により確認した.エタノールのみの場合は(113)面を原子平坦化するが,これはNa原子からなる(111)レッジへのエタノール分子の吸着によると考えられる.CdCl2は(112)面を原子平坦化するが,これはCdCl6の鎖状構造がCl原子からなる(111)レッジに沿ってできているためと考えられる.HgCl2溶液は(110)面を原子平坦化する.(100)面も原子平坦化し,その上の単原子高さの(111)レッジも安定化する.HgCl6錯体の形成によりこれらの表面構造が安定化される可能性を提案した.原子平坦化された(100)面,(110)面,(111)面について摩擦力顕微鏡を用いて各2方向の摩擦係数を測定した.湿度15-60%の範囲で(100)面,(110)面については明瞭な異方性が観察できた.異方性の程度は,各走査方向に沿った探針-表面間の静電的ポテンシャル振動の勾配から予想される結果と概ね一致した.(111)面については低湿度においても電気的極性により水が強く吸着しており,異方性は評価できなかった.
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