妊婦の冷え症と微弱陣痛・遷延分娩との因果効果の推定:—傾向スコアによる交絡因子の調整—
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
目的:冷え症の妊婦と,そうではない妊婦での,微弱陣痛および遷延分娩の発生率の相違の分析および,因果効果の推定を行うことである.方法:研究デザインは後向きコホート研究である.調査期間は2009年10月19日~2010年10月8日までの12ヵ月であり,病院に入院中の分娩後の女性2,540名を分析の対象とした(回収率60.8%).調査方法は,質問紙調査と医療記録からのデータ抽出である.分析では,共分散分析と層別解析にて傾向スコアを用いて交絡因子の調整を行った.結果:冷え症であった女性は41.9%であった.微弱陣痛では,冷え症の回帰係数0.69,p<0.001,オッズ比2.00であった(共分散分析).遷延分娩では,冷え症の回帰係数0.83,p<0.001,オッズ比2.38であった(共分散分析).結論:微弱陣痛では,冷え症である妊婦の微弱陣痛発生率の割合は,冷え症ではない妊婦に比べ,2倍であり,遷延分娩では約2.3倍であった.因果効果の推定では,冷え症と微弱陣痛ならびに遷延分娩の間で因果効果の可能性があることが推定された.
- 公益社団法人 日本看護科学学会の論文
公益社団法人 日本看護科学学会 | 論文
- 長期入院統合失調症患者の退院支援に関する熟練看護師の看護実践のプロセス
- 女性人工股関節全置換術患者が主観的に評価する歩容とその影響要因
- 未就学児の母親である看護師のバーンアウトの関連要因
- 子どものハイリスク治療受け入れに向けた親の関わり―造血幹細胞移植事例を通して―:―造血幹細胞移植事例を通して―
- The Effect of Nurses' Quality of Life (QOL) and Self-Efficacy on Their Intention to Quit