汎用自動分析装置を用いたインスリン測定試薬の評価
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概要
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目的:インスリン抵抗性指数(HOMA-R)は空腹時血糖値とインスリン測定値から簡便に求められるため,人間ドックなど健診において有用性が高く,その利用も増大している.今回,汎用自動分析装置へ適応可能なラテックス比濁免疫測定法を原理とするインスリン測定キット「サイアス INSULIN」が新規開発され,その基本性能の評価を行った.材料と方法:当院で臨床検査を終えた検体を対象に,東芝TBA-200FR型自動分析装置で測定した.結果:同一検体を連続測定した同時再現性はCV=2.9~5.5%,日差再現性はCV=2.6~7.6%と良好であった.約100μU/mLまでの直線性を認め,血中共存物質であるビリルビン,乳び,リウマチ因子およびC-ペプチドによる分析への影響を認めず,溶血検体は負の誤差を認めた.化学発光免疫測定法を原理とする専用分析機の測定値とは相関係数r=0.995,回帰式y=0.915x+2.2,同一被検者の血清とNaF血漿ではr=0.996,y=0.903x+0.2と良好な相関を認めた.健常男性77名の空腹時インスリン値(平均値±SD)は5.9±3.0 μU/mL,女性84名は5.8±2.8μU/mLとなり,HOMA-R値はそれぞれ1.42±0.80,1.35±0.73となった.インスリンアナログ製剤との反応性は期待値の80~120%であった.結論:本試薬は良好な分析精度と正確性を有し,汎用自動分析装置に適用可能のため,人間ドックや健診でのインスリン測定に有用性が高いと示唆された.
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