西湖湖底泥から羽化したユスリカ成虫相
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概要
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西湖のユスリカ成虫相を明らかにするために,2009年3月8日に調査を行った.湖畔において行った捕虫網による調査では,13匹が捕獲された.また,水深の異なる湖内7地点の底泥サンプルからは,81匹のユスリカ成虫が羽化してきた.これらのユスリカ類は,ユスリカ亜科,エリユスリカ亜科,オオヤマユスリカ亜科,モンユスリカ亜科の4亜科に分類され,11種に同定された.最も深い地点(65.5 m)から採集した底泥からは,ユスリカ類は羽化してこなかった.しかし,水深56.6 mの地点からはナガスネユスリカ属の一種であるMicropsectra chuzeprima Sasa, 1984のみが捕獲され,29.6 mと18.8 mの地点からはM. chuzeprimaとウスイロカユスリカProcladius choreus (Meigen, 1804)の2種のみが羽化してきた.一方,今回の調査で最も水深の浅い地点(4.9 m)からは,9種類のユスリカ類が羽化し,最も多かったのはウスモンユスリカPolypedilum nubeculosum (Meigen, 1804)であった.これまでの調査で,16種類のユスリカ類が西湖周辺で記録されていたが,共通種はP. nubeculosumの1種類のみで,私たちの調査で新たに10種類をリストに加えることができた.
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