水田地帯におけるケリの採食行動と採食環境の選択
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概要
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本研究の対象種であるケリVanellus cinereusは,水田を重要な生息環境とするチドリ目チドリ科の鳥類である.一方で,近年,我が国では水稲作付面積が減少し休耕田が増加している.そのため,水田を主な繁殖場所とする本種にとって水田地帯は生息しづらい環境になっていると考えられるが,我が国においてはその分布域が拡大している.そこで,本種の採食行動と採食環境を調査することによって,休耕田の拡大が本種の分布域に及ぼす影響について検討した.その結果,本種は視覚に頼った採食方式である「つつき採食」の行動をとり,その行動特性の分析から,視界が開けた環境を必要とすることが明らかとなった.さらに,本種は圃場面の草丈が低く,非湛水か部分湛水の環境を採食環境として選択することから,とくに,稲の草丈が本種の背丈を超え,水田での採食が困難となる中干し期以降に,除草後あるいは耕起後の休耕田にその利用が移動することを明らかにした.
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公益社団法人 農業農村工学会 | 論文
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