病院の臨床栄養部門業務の実態調査:─管理栄養士養成施設における臨床栄養分野教育への活用─
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【目的】病院における栄養食事指導および他職種との関連業務に関する実態調査を行い,その結果を管理栄養士養成施設における臨床栄養分野の教育の一資料とすることを目的とした。【方法】調査用紙は全国の1,000病院に郵送した。有効回答病院数は410病院であり,回収率は43.0%であった。調査内容は,集団指導の種類および食品交換表の利用状況,カーボカウントの取り入れ状況,食物と薬の相互作用の説明状況,チーム医療およびカンファレンスの種類および参加状況,クリニカルパスへの栄養食事指導の組込み状況とした。【結果】集団指導では,糖尿病教室が92.2%の病院で行われていた。食品交換表は,糖尿病の交換表が個人および集団指導で28.3および49.0%と,糖尿病,腎臓病および糖尿病性腎症の3種類の食品交換表の中で最も多く使用されていた。食物と薬の相互作用の説明は,81.9%の病院で行われていた。チーム医療専任の管理栄養士がいると回答した病院の割合が10%以上のチーム医療は6種類あり,中でも栄養サポートおよび褥瘡チームがいずれも約72%と他のチーム医療より高かった。管理栄養士の参加の回答が10%以上であったカンファレンスは8種類あり,中でも糖尿病が47.7%と全カンファレンスの中で最も多かった。【結論】集団指導および参加しているカンファレンスには糖尿病が最も多かったことから,管理栄養士養成施設における糖尿病教育の重要性が明らかとなった。また,管理栄養士が参加しているチーム医療およびカンファレンスの種類も多く,他職種との連携についてさらに理解を深める必要があることが示唆された。管理栄養士養成施設は,コアカリキュラムの内容を基本にしつつ,病院業務の現状を把握しながら臨床栄養分野の教育をしていく必要があるといえる。
- 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会の論文
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 | 論文
- 減量の誘惑場面における対策の質的検討
- フォーマティブ・リサーチに基づいた職域における体重管理プログラムに関する事例的研究
- 体重管理における誘惑場面の対策尺度の作成
- Detection of Heavy Metal Toxicity by Cell Culture Method (1)
- Comparison of the Physical Properties, Taste Preference and Effect on Blood Glucose Level between Pudding Sweetened by Sugar and Erythritol