在宅脊髄損傷者の食生活の包括的特性ならびに性・年齢区分・損傷部位による差異についての検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【目的】在宅で生活する脊髄損傷者を対象に,理論枠組みに基づく調査票にて食生活全体を評価することを目的とした。【方法】社団法人全国脊髄損傷者団体連合会の登録会員2,731名を対象に,2011年9月,郵送法による自記式質問紙調査を実施した。調査票には,生活の質(QOL),健康状態,食物摂取状況,行動,食行動の中間要因,準備要因,属性,食環境の8つの概念で構成された理論枠組みを用いた。回答が得られた1,000名(回収率37%)のうち性,年齢,障がい名,損傷部位が未記入の者,施設入所者を除外した886名を解析対象とした(有効回答率32%)。年齢は39歳以下(若年),40~64歳(中年),65歳以上(高年)の3区分,損傷部位は頸髄損傷,胸髄損傷,腰髄損傷の3区分について集計をした。【結果】66%の者が「健康である/まあ健康である」と回答した。日常の食物摂取頻度得点の平均(標準偏差)は男性16.1(5.2)点,女性17.6(4.8)点であった。食生活の各要素(行動変容段階,結果期待,セルフ・エフィカシー,食態度や食スキル)をみると,行動変容段階では「維持期」が多く,結果期待が良好であり,食生活の問題を判断し対処している者が多かった。男性よりは女性,若年・中年よりは高年の方が良好な回答が多かった。頚髄,胸髄,腰髄の損傷部位の区分で違いがみられた主な項目は,公的介護サービスの有無,排便状況,食事作りおよび食品購買行動であった。【結論】理論枠組みでみた在宅の脊髄損傷者の食生活は,国民健康・栄養調査の結果や本調査と同じ理論枠組みでみた健常者を対象とした先行研究と比較して大きな差違はなく,女性,高年において良好な回答が多く見られた。損傷部位による違いは限定的であった。
- 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会の論文
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 | 論文
- 減量の誘惑場面における対策の質的検討
- フォーマティブ・リサーチに基づいた職域における体重管理プログラムに関する事例的研究
- 体重管理における誘惑場面の対策尺度の作成
- Detection of Heavy Metal Toxicity by Cell Culture Method (1)
- Comparison of the Physical Properties, Taste Preference and Effect on Blood Glucose Level between Pudding Sweetened by Sugar and Erythritol