病院給食における食物アレルギー対応食の実態と課題
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概要
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【目的】入院患者の食物アレルギー対応食の実態を調査し,その課題を検討する。【方法】食物アレルギー対応食に関する調査用紙を作成し,2010年7~9月に近畿圏の60総合病院に郵送した。【結果】回答は34病院から得られた(回収率57%)。患者自身の申告に基づいたアレルゲンは,全体(小児+成人)では1位魚類(67%),2位甲殻類(33%),3位そば(22%)であり,小児では1位鶏卵(96%),2位乳製品(82%),3位小麦(24%)であった。病院毎に作成しているアレルギー確認用紙が送付された9病院を比較したところ,小児のアレルゲンに頻度の高い鶏卵・乳製品・小麦は9病院全ての確認項目に含まれていた。一方,成人に頻度の高いアレルゲンである甲殻類・そばは1病院(11%),魚類は2病院(22%),果物類は7病院(89%)で確認項目に含まれていなかった。アレルギー患者への管理栄養士の訪問は90%以上の病院で実施されていたが,他職種との月1回以上の話し合いは4病院(13%)でしか行われていなかった。ヒヤリ・ハットの報告は,誤配(59%)や調理過程でのアレルゲン混入(41%)が多かったが,その対策の面からは誤配に比べ調理過程への混入の対策が十分でないことが窺われた。【結論】食物アレルギー対応食に関して,確認用紙は小児だけでなく成人にも配慮した確認項目を作成する,他職種との話し合いの機会を増やす,調理過程でのアレルゲン混入への対策を進める,等の改善対策が必要と思われる。
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特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 | 論文
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