栄養管理報告書を用いた特定給食施設における食事摂取基準の活用に関する調査
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概要
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【目的】特定給食施設において適切な栄養管理が行われているかを把握し,必要な指導・助言を行うために,各自治体は特定給食施設に栄養管理報告書の提出を求めている。日本人の食事摂取基準(2010年版)には,給食施設での食事摂取基準の活用の基礎理論としてPDCAサイクルに基づく栄養管理の手順が示されている。本研究では,特定給食施設における食事摂取基準の活用の実態を把握するために,各自治体の栄養管理報告書の書式から基礎理論の手順に基づく栄養管理の実施が把握できるかを調査した。【方法】栄養管理報告書の書式は2010年3~4月に厚生労働省が収集した。114の自治体(都道府県,保健所を設置する市および特別区)から提出のあった書式のうち,「病院・介護保険社会福祉施設用」の87自治体と「事業所用」86自治体の書式について集計した。集計内容は『対象集団の特性の把握』,『身体状況や食事摂取量の把握』,『食事計画の決定と実施の評価』とした。【結果】『対象集団の特性の把握』に必要な給食対象集団の特性と人数の両方の記載を求めていない自治体が,「病院・介護保険社会福祉施設用」,「事業所用」ともに2.3%認められた。『身体状況や食事摂取量の把握』に必要な項目として,半数以上の自治体が把握している項目は,「病院・介護保険社会福祉施設用」の身長と体重に関する項目のみであった。『食事計画の決定と実施の評価』に必要な項目として,給与栄養目標量の記載を求めている自治体は「病院・介護保険社会福祉施設用」,「事業所用」ともに約95%であったが,食事摂取量の記載を求めている自治体は約11.5%に過ぎなかった。【結論】本研究で収集された栄養管理報告書において,給食の食事計画とその評価・計画の見直しにつながる食事摂取量の評価を把握できる項目は限られていた。給食の栄養管理の手順に即した書式の検討が必要である。
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