GPUを利用したポインタ解析の実装と評価
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概要
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ポインタ解析はプログラムの最適化や静的解析に用いられる重要な技術であるが,計算量が大きく実用的なソフトウェアに対しては実行時間が大きいという問題がある.GPUは高い並列性計算能力を持ち,これを利用することで高速化が期待できるが,高速な実装方法は自明ではない.GPUの利用は,ハードウェアの特性やプログラミング環境の制限により容易ではなく,経験の蓄積が少ないため,試行錯誤が必要となる.本論文ではこの問題を解決するため,Andersenが提案したinclusion-baseのポインタ解析の高速な実装方を示す.この実装は行列演算を用い,疎行列の利用と行列演算に対する改良を行なっている.また我々はGDB(49万行)などの実用的な中規模ソフトウェア群によるベンチマークを行った.その結果GPUによる実装は全てのベンチマークでCPUによる実装よりも高速に動作し,また最大で14.4倍の高速化を達成した.
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日本ソフトウェア科学会 | 論文
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