Waffle procedureにて循環動態の改善を認めた収縮性心膜炎の1例
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概要
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症例は62歳女性,平成12年から悪性関節リウマチ症候群にて加療開始,当時から心嚢液貯留を指摘され,これまでに心嚢液ドレナージを計4回施行された.平成21年,全身倦怠感,労作時息切れおよび下肢の浮腫を主訴に入院した.心臓カテーテル検査にて右室拡張末期圧の上昇とdip & plateau波形を認めたため,収縮性心膜炎と診断された.繰り返す心嚢液貯留および心不全増悪に対し手術を施行した.右室前面を中心に明らかな心外膜の肥厚とそれに伴う心室の拡張不全を認めたため,超音波メスと電気メスにて心外膜をワッフル上に切開したところdip & plateauの消失と心拍出量係数(術前:1.9 l/min/m2→2.6 l/min/m2)の改善を認めた.術後経過良好にて第25病日に退院した.本症例により収縮性心膜炎に対するWaffle procedureは有効な術式であると考えられた.
- 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 | 論文
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