大動脈炎症候群に対する心拍動下冠動脈バイパス術の1例―ハイリスク合併症症例における治療戦略―:——ハイリスク合併症症例における治療戦略——
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大動脈炎とそれに起因する胸部大動脈瘤と大動脈の高度石灰化・蛇行,さらに左内胸動脈閉塞を合併したハイリスクな不安定狭心症に対し心拍動下冠動脈バイパス術を施行した.患者は66歳女性,労作時胸部不快感を訴え外来受診した.精査の結果,両冠動脈入口部の重度狭窄および左内胸動脈閉塞を有する不安定狭心症と診断され,冠動脈バイパス術が第1治療選択となった.術前検査にて両下肢のABI低下,CTにて大動脈炎による大動脈の高度石灰化,胸部下行大動脈瘤と大動脈の蛇行を合併していた.このため体外循環,補助循環サポートは使用困難であり,手術は全身麻酔下に胸骨正中切開し,右内胸動脈と大伏在静脈グラフトを使用してcomposite graftを作製し,心拍動下に4枝バイパスを施行した.術中SPY system(intraoperative ICG-based imaging system, Novaq Technologies ; Toronto, ON, Canada),術後3カ月に冠動脈Multi-Detector CT(MDCT)にてグラフトの開存を確認し,良好な結果を得た.
- 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 | 論文
- 慢性静脈不全症に対する深部静脈逆流遮断手術 弁形成術と弁置換術
- 高令者(70才以上)の腹部大動脈外科の検討
- 大腿吻合部動脈瘤の発生原因の検討
- High riskの潜在性凝固異常と腹部大動脈瘤手術
- Aorto-femoro-poplitealの広汎閉塞に対する2期的再建法の工夫