心臓大血管手術での酸化ストレスの変化
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概要
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心臓・大血管手術,特に人工心肺を用いた手術が酸化ストレス・抗酸化ストレスの観点からみて,生体にどのような影響を与え,それがどのくらい持続するものであるかを検討した.2007年6月から10月末までの,人工心肺を用いた手術(ECC群)18例と腎動脈下腹部大動脈瘤人工血管置換術(AAA群)8例を対象にした.測定は,酸化ストレス度(d-ROM)について行い,手術開始時,手術終了直後,術後1日目,術後1,2,3週間,術後1,2,3,4カ月に計測した.d-ROMでは,ECC群はAAA群よりも有意に高かった(p<0.0001).Peak値はECC群では術後3週間目で,AAA群では術後2週間目だった.両群で酸化ストレスは上昇するが,ECC群での上昇がAAA群に比べてより顕著であった.酸化ストレス度(d-ROM)を指標にした手術侵襲度は,人工心肺を用いた手術では,腹部大動脈瘤手術に比べて,高いとの結論となった.
- 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 | 論文
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