発酵による発熱を原因とした瓦礫類の火災危険性について
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概要
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東日本大震災により, 大量の瓦礫類が生じた。このため ,被災地域では「瓦礫置き場」が数多く設置された。しかし, 2011年の夏以降になって, 東北地方にある瓦礫置き場で, 約30件の火災が相次いで発生した。出火原因の1つとして, 堆積されている瓦礫類の中には, 微生物が繁殖しやすいものが多数存在し, それらが発酵することで熱が発生し, その発生した熱が引き金となり, 温度上昇が起こり自然発火に至ったと推定された。本研究では, 瓦礫火災が発生した, 宮城県名取市にある閖上と小塚原の2ヶ所の瓦礫置き場で現地調査を行い, 火災現場から発酵する可能性のある瓦礫類を採取し, 自然発火の引き金となりうる, 発酵による発熱の危険性の検討を行なった。その結果から, 断熱状態が良い場合には, 腐食した畳や木材チップ等から生じる発酵熱が引き金となり, 火災の原因となる可能性が高いことを明らかとした。
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