ウォーターミストによる噴流拡散火炎の消炎
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概要
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本研究では,同軸流場に形成される噴流拡散火炎を対象に,ウォーターミストが火炎の安定や構造および消炎に及ぼす影響について調べた。ミスト発生器には,市販の超音波加湿器(トヨトミ-TUH-A9)を使用した。ミストの粒径特性をPDPAで測定した結果,ミストの粒径分布 Dm≒1~44μm で,算術およびザウター平均粒径は,それぞれ D10≒15μm,D32≒21μm でほぼ一定である。実験に用いたリム厚0.5mmおよび5mm噴射管に形成される噴流拡散火炎の安定や構造に与えるウォーターミストの影響は異なることが観測された。0.5mm噴射管の付着火炎の消炎は,火炎基部に流入したミストの影響により,噴射管リムにおける火炎とミストとの相互作用に起因して火炎基部から不安定になる。これは対向流拡散火炎の熱的消炎に対応しており,プール火災の消炎機構も同様に説明できると考えられる。一方,5mm噴射管の乱流火炎の消炎は,遷移領域における乱れの増加と乱流火炎内に流入したミストとの相互作用で生じた火炎温度の低下に起因している。さらにウォーターミストの燃焼抑制効果についても明らかにした。(オンラインのみ掲載)
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