米国,EU,日本における新医薬品の承認状況―新有効成分含有医薬品334薬剤―:―新有効成分含有医薬品334薬剤―
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概要
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米国,EU,日本において1999年から2005年の間に承認された新有効成分含有医薬品(以下,新医薬品)334薬剤を対象に,各地域での承認割合と承認までのタイムラグ平均月数(年数)を算出した。タイムラグは3地域のいずれかにおいて初承認となった年月日を基点とした当該地域での承認年月日までの期間と定義した。 新医薬品334薬剤のうち,各地域における承認薬剤数は,米国274薬剤(82.6%),EU262薬剤(78.4%),日本181薬剤(54.2%)であった。各地域において承認を取得するまでのタイムラグ平均月数(年数)は,米国13.5ヶ月(1.1年),EU13.2ヶ月(1.1年),日本46.3ヶ月(3.9年)であった。いずれかの地域においてオーファンドラッグ指定を受けている60薬剤(HIV/AIDS治療薬を除く)のうち,各地域における承認薬剤数は,米国52薬剤(86.7%),EU49薬剤(81.7%),日本32薬剤(53.3%)であった。それらのタイムラグ平均月数(年数)は,米国10.1ヶ月(0.8年),EU23.8ヶ月(2.0年),日本52.6ヶ月(4.4年)であった。 米国とEUにおける新医薬品の承認割合はいずれも約8割,承認までのタイムラグ平均期間はいずれも約1年と,米国とEUとの間に大きな差はみられない。日本においては約半数の新医薬品が未承認であり,米国,EUに比べ,平均して約3年の承認の遅れが生じていた。オーファンドラッグに限定すると,米国とEU間のギャップが明らかとなり,全体の分析と比較して日本におけるタイムラグは大きくなった。
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The Health Care Science Institute | 論文
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