多方位口唇閉鎖力測定における測定部保持法と固定法の相違
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概要
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【目的】本研究では座位の状態で,測定部を被験者が保持する方法で測定した場合に,固定して測定する場合と比較して,得られた結果に相違が生じるかを知ることを目的とした.【対象および方法】健常成人を対象として,全40名(男性25名,女性15名,平均年齢29.8±5.0歳)に対して,測定部を保持した状態で測定(保持法)した結果と,測定部を固定して測定(固定法)したときの結果とを比較した.口唇閉鎖力は,最大努力での口すぼめ運動時の多方位口唇閉鎖力を測定した.【結果】男性の総合力は,保持法では固定法に比べて有意に小さかったのに対し,女性の総合力では保持法と固定法で有意な差は認められなかった.男性では,6方向中5方向において,固定法の結果と保持法の結果に有意な相関が認められた.しかし,女性では固定法と保持法と間に有意な相関のある6方向中3方向のみであった.【結論】男性の結果から,保持法は固定法よりも口唇閉鎖力は小さくなることがわかった.また,女性では保持法の結果にばらつきが生じることがわかった.保持法での結果には口唇閉鎖力以外の要因が測定結果に含まれる可能性があることが示唆された.
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