鼻副鼻腔炎に対する有効性とその作用機序
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概要
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鼻腔エアロゾル療法については, 「副鼻腔炎診療の手引き」と「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン」で, 「中鼻道の開大後にネブライザー薬液が副鼻腔に到達し, 炎症の改善が期待される」 (推奨グレードC1) と評価されている。また鼻内内視鏡手術 (ESS) との併用では, ネブライザー薬液到達量が増加し, 沈着性と滞留性の向上も期待できる。さらに好酸球性副鼻腔炎に対する治療手段としても, 局所ステロイド製剤は最も高いエビデンス推奨レベル (EBM) を有しており, エアロゾル療法としての新しい役割を示すものとして期待できる。本稿では鼻腔エアロゾル療法の検証として, 鼻腔耳鼻咽喉科処置における保存治療, 内視鏡下鼻内手術 (ESS) の術後療法, 好酸球性副鼻腔炎における保存療法, についてそれぞれの観点より論述してみた。また最後に当科で施行している新たな試みとして, 簡易型一酸化窒素 (NO) 濃度測定モニタによる呼気中一酸化窒素 (eNO) と鼻呼気中一酸化窒素 (nasal eNO) の測定を紹介する。我々は局所エアロゾル療法による治療前後における測定を通して, 鼻副鼻腔領域においても従来から確立している内視鏡所見や画像所見と同様に有用な指標となりうるかどうかについて検討してみた。
- 耳鼻咽喉科展望会の論文
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