医療事故未然防止のためのインシデントデータに基づくエラー要因の包括的分析と対策の定量評価
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概要
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目的 : 医療事故未然防止の観点から潜在的なエラー要因を抽出し, エラー要因や対策の優先度を定量的に評価する新たな手法 (EFACE) を考案した. 臨床現場に本手法を適用して妥当性を確認した.手法の説明 : (1) インシデントを総合的に評価し対策優先エラーを導出する. (2) 医療に特化したエラー要因チェックリスト, エラー要因チャートを用いて潜在的なエラー要因を分析する. (3) エラー要因と対策案の優先度を示すI/E値を算出して対策を実施する.対象と方法 : 99床の医療機関における321件のインシデントデータ (2004年3月から2005年2月収集) に本手法を適用して対象とする事故と対策を選定し, 実施した.結果 : 対策優先度が高かった転倒を分析し, 33のエラー要因, 89の対策案を導出した. さらにI/E値を算出して対策を実施した. 転倒件数は対策前6カ月が平均8.17件/月, 対策後6カ月が平均2.17件/月と有意に減少した (P <0.001).結論 : 本研究にて考案した手法を用いて事故防止策を講じたことで, 転倒事故が著しく減少した.
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