乳突洞開放型術後耳に対する外耳道再建における有茎側頭筋膜組織弁・骨膜組織弁の血流測定とその有用性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
乳突洞開放型術後耳に対する外耳道再建型鼓室形成術では, 骨および軟骨で再建した外耳道後壁を安定した状態に保つことが術後の要点になる. 再建した外耳道後壁を有茎側頭筋膜組織弁および骨膜組織弁で被覆することで, より安定した再建外耳道後壁が確保され, また良好な移植鼓膜の生着が得られる. 有茎組織弁の血流をみるためにレーザードップラー法を用い, 耳漏が続く乳突洞開放型術後耳20例で有茎側頭筋膜組織弁・骨膜組織弁血流を測定した結果, ともに確実な血流を有することが確認された. 有茎側頭筋膜組織弁作成後血流には有意な改善傾向が認められ, 有茎側頭骨膜組織弁血流よりも有意に良好であった. 再建外耳道後壁を血行が保たれた有茎側頭骨筋膜組織弁および骨膜組織弁で被覆することにより, 術後治癒機転の促進, 術後感染症の回避が可能で, 安定した再建後壁, 術後聴力を獲得する上で有効な手術手技と考えられた.
- The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.の論文
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc. | 論文
- 若年性鼻咽腔血管線維腫 : 翼突管への進展の評価
- 耳鼻咽喉科学における最近のトピックス:―頭頸部がん専門医制度の在り方と意義―
- 第26回日耳鼻専門医講習会を終えて
- 第22群 甲状腺2
- 第129群 平衡基礎