電子カルテによる単一施設における患者単位でみた輸血副作用発生状況
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概要
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近年輸血副作用の把握の重要性が認識され,その頻度や重症度について統計をとることが多施設で行われつつある.しかし時に集計の困難さもあり充分な集計ができない場合がある.我々は電子カルテを利用した副作用管理システムを樹立し全輸血における副作用報告を收集できるようになった.その結果バッグ単位ではなく通常報告されていない患者単位の副作用発生頻度の算出を容易にし興味ある結果を得たので報告する. 【対象】2008年1月から2009年12月の期間,輸血を実施した患者を対象とした.【結果】赤血球濃厚液(RCC)は1,154人で5,156バッグ,新鮮凍結血漿(FFP)は261人で1,795バッグ,濃厚血小板血漿(PC)は350人で3,394バッグの輸血が行なわれた.輸血副作用発生実人数はRCC 20人(1.7%),FFP 12人(4.6%),PC 50人(14.2%)であった.PCによる副作用頻度が最も高く診療科別でもPCの使用の多い血液腫瘍内科で22.2%,小児科で23.7%発生していた.患者単位での副作用はバッグ単位の副作用に比較し数倍の頻度が認められ,輸血副作用の評価は両者を比較しつつ行うことが重要であり,電子カルテを利用した副作用管理システムは副作用情報収集に有用と考えられた.
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一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 | 論文
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