細胞治療に用いる細胞の採取,処理,保管に関する調査―2007年度日本輸血・細胞治療学会と日本臨床衛生検査技師会による「輸血業務に関する総合的アンケート調査」および全国大学病院輸血部会議輸血副作用ワーキンググループによるアンケート調査―
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概要
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目的·方法: 日本輸血·細胞治療学会と日本臨床衛生検査技師会による「輸血業務に関する総合的アンケート調査」と全国大学病院輸血部会議輸血副作用ワーキンググループによる「成分採血に関する副作用アンケート」の細胞治療に関する設問の回答結果をまとめた. 結果: 「輸血業務に関する総合的アンケート調査」では,1,341施設に依頼が発送され,844施設が回答した.420の施設が輸血業務担当の兼任看護師がいると回答したが,専任の輸血担当看護師がいると回答した施設は少数であった.128施設が院内採血(アフェレーシス)を行ったと回答したが,自家末梢血幹細胞採取を除いて,年間の件数が5以下である施設が大半であった.99施設が細胞処理,凍結保存,保管管理を行っていると回答し,骨髄では採取と処理,末梢血では採取,処理,凍結,保存管理,臍帯血では保存管理のみを行っていると回答した施設が多かった.輸血関連部門で造血幹細胞移植および免疫療法以外の細胞処理,培養,凍結·保存を行っていると回答した施設の数は14で,このうちの8施設が血管新生·血管再生に関わるものであった.輸血部または関連する部門以外で細胞プロセッシングが行われていると回答した施設の数は11で,血液内科,外科,腫瘍制御学などが,樹状細胞,細胞傷害性T細胞,膵島細胞,血管新生用細胞などを扱っていると回答した. 「成分採血に関する副作用アンケート」では,対象となった80施設のうち,79施設から回答があり,59(74.7%)施設の輸血関連部門で造血幹細胞移植用の細胞処理,凍結を行い,15(19.0%)施設で血管新生·再生,肝再生,歯槽骨再生のための細胞や膵島,間葉系細胞などが扱われていた.一方,25(31.6%)施設では他部門で細胞処理が行われていると回答した.多くの施設では,成分採血は輸血部門で行われ,成分採血時の血管穿刺は診療科医師が行っていると回答した. 結論: 細胞療法を行っている施設における,関係設備,スタッフ,施行状況,合併症·副作用発生状況を把握することは,日本輸血·細胞治療学会で進められている細胞処理に関するガイドラインの作成や,採取や処理に係わるスタッフの教育や資格に関する検討を含め,細胞療法を安全に行い,発展させていく上で重要である.
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