血液透析患者に対するEpoetin-β pegol治療時の静注用鉄剤の投与方法に関する検討
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概要
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CERA治療中の血液透析患者において, 静注用鉄剤の投与法の違いによる赤血球造血, 鉄代謝, 酸化ストレスへの影響を検討した. 対象は4週に一回CERA投与中でsFtn値100ng/mL未満の血液透析患者20例. 静注用鉄剤 (フェジン®静注40mg) 1 AをCERA投与同日から週1回で連続8回投与 (連続群), CERA投与日から週1回で2回投与, その後2週休薬を繰り返しで計8回投与 (非連続群) の2群に分け, 鉄剤投与前後のHb値, Ret, sFe, TSAT, Hep-25, CHr, sFtn, sTfR, 8-OHdGを経時的に測定した. Retは両群ともCERA投与1週後をピークとして増加した. sFe値, TSAT値, Hep-25値, CHr値は両群とも1~2週後に低下し, 3~4週後に上昇するパターンを繰り返したが両群間に有意差はなかった. sFtn値は鉄剤投与後に連続群が鉄剤投与前に比して有意に上昇したが, 非連続群は上昇しなかった. また, 連続群が3~9週で有意に高値であった. 8-OHdG値は連続群が鉄剤投与前から有意に高値であったが正常範囲内で, 経過中も有意の変化を示さず, 両群間に有意差もなかった. CERA投与後に赤血球造血が亢進する時期があり, 静注用鉄剤を投与しているにもかかわらず鉄欠乏となる恐れがある. 今回の連続投与, 非連続投与ともこの鉄欠乏を予防することはできず, また非連続投与は貯蔵鉄を補うためには投与量が少ないと考えられた. CERAの薬剤特性にあった静注用鉄剤の投与法の開発が必要である.
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