血液透析患者の心機能に対するレボカルニチンの効果
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概要
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【目的】透析患者におけるレボカルニチンの心機能に対する効果を検討する. 【対象】当院にて維持透析施行中の患者192名のうち, 選択基準を満たした対象患者153名に対し内服希望のアンケートを実施し, 内服希望患者群113名を対象とした. 【方法】今回の臨床試験は内服希望患者による介入試験で, 非ランダム化比較試験である. 対象患者はレボカルニチンを20mg/kg/日 (最大用量1,200mg/日) を投与した. 心機能の評価として, 心エコー検査と心不全の予測因子であるNT-proBNPを試験開始前, 開始3, 6か月後に測定した. 【結果】試験期間中の心エコー検査では, LVDd, LADは有意な差は認めず, 拡張障害の指標であるE/A, E/e も有意な差は認めなかった. しかし, EFは試験開始前に比べ開始3, 6か月後で有意な改善を認め, LVMIも同様に有意な改善を認めた. またサブ解析として, 左室肥大 (LVH) ありの患者群とLVHなしの患者群に分けて検討したが, LVHありの群においてEFは試験開始前が58.0±6.5から試験開始3か月後に61.0±6.9%, 6か月後で60.5±6.8%と有意な改善を認め, LVMIも試験開始前が132.2±20.9g/m2から開始3か月後に108.5±23.9g/m2, 6か月後で110.8±22.3g/m2と有意に低下した. しかし, LVHなしの患者群においては, EFの改善効果およびLVMIの低下は認められなかった. 一方, 心不全の予測因子である, NT-proBNPは試験開始前後で有意な差は認めなかった. 【結論】レボカルニチンは透析患者の心機能に対しEFの改善とLVMIの低下を認めた. またレボカルニチンへの反応群はLVHを有する患者群であった.
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